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『プレシャス』 

今日、『プレシャス』という映画を観た。

主役のプレシャスを演じるガボレイ・シディベと、その母を演じるモニークの存在感に圧倒される。

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巨象を思わせるその体躯と真っ黒な肌。
ハーレムで暮らし、デブでブスで字が書けない16歳の中学生。
しかも今妊娠中で学校を退学になってしまう。
暗いアパートには、これまたデブで生活保護の鬼母と二人暮らし。
これだけで人生を恨むほど不幸なのだけれど、彼女にはまだある。
実の父に強姦されて生まれた最初の子供は、ダウン症。
そして今おなかの子供は、母の二番目の夫にレイプされて妊娠した。

原題は『Push』と云うらしい。
これは子供を産む時に人の手を借りて産むのではなく、自分の力で「Push」して産むその「Push」(いきむ)だ。

この出口のないデブの少女の物語が延々と続く…。
フリー・スクールという鑑別所みたいな学校で同じ様な境遇で傷ついた仲間たちと過ごしながらプレシャスに少しだけ変化が現れる。
その学校の先生とソーシャルワーカー役のマライア・キャリーが凄くいい。

プレシャスと云う名前は母親から「宝物」と云う意味で付けられた。
でも、その母親から日常的に虐待を受け続ける。
普通ならプレシャスの方がキレて暴力的になるのだけれど、この映画の主人公はじっと我慢する。
そこが悲しいし、いじらしい。
プレシャスは母親に反抗しない。
彼女は母の本当の悲しみを知っているから……。

プレシャス?


映画を観終わって、帰りの電車の中でおもわず考えてしまう……。
テレビでは鳩山首相や民社党に対する罵詈雑言が姦しい。
でも、つい半年前に彼らテレビの司会者やコメンテーター達は政権交代を大喜びしていた。
とても同じ奴等とは思えない。
半年前の彼らは、政権を観る目が無かったのか?
だったら今の彼らが云ってることも信用できない。
半年もたてば、また違う事を云うに違いないからだ。

「プレシャス」はそんな周りの事は気にしない。
自分の頭で考えた事しか信用しない。
だから、悲惨的な境遇にも悲観しない。
自分で文字を覚え、自分で子供を愛し、どんな環境にも耐えることが出来る。

ラストシーン。
母親と決別し、二人の子供を抱えて新しい人生へ歩き出すプレシャスの姿には感動を覚える。
悲劇的な現状を嘆いてもそれだけでは抜け出せない、自分の力で「Push」するしかないのだ。
そんな単純な事をこの映画の主人公は気付かせてくれる。

こんな映画がある限り世界は決して滅びないと、ボクは思う。


プレシャス


電車を降りる時、
こんな詩を思い出した。


「けふから ぼくらは泣かない
きのふまでのように もう世界は
うつくしくもなくなつたから そうして
針のようなことばをあつめて 悲惨な
出来ごとを生活のなかからみつけ
つき刺す
ぼくらの生活があるかぎり 一本の針を
引出しからつかみだすように 心の傷から
ひとつの倫理を つまり
役立ちうる武器をつかみだす
しめつぽい貧民街の朽ちかかつた軒端を
ひとりであるいは少女と
とほり過ぎるとき ぼくらは
残酷に ほくらの武器を
かくしてゐる
胸のあひだからは 涙のかはりに
バラ色の私鉄の切符が
くちゃくちゃになつてあれはれ
ぼくらはぼくらに または少女に
それを視せて とほくまで
ゆくんだと告げるのである
とほくまでゆくんだ ぼくらの好きな人々よ
嫉みと嫉みをからみ合わせても
窮迫したぼくらの生活からは 名高い
恋の物語はうまれない
ぼくらはきみによつて
きみはぼくらによつて ただ
屈辱を組織できるだけだ
それをしなければならぬ」

『涙が涸れる』  吉本隆明



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2010. 05. 12. (Wed) 20:40  [釣りコメント:0  トラックバック:0

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