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『アメリカン・スナイパー』 

イーストウッドがイラク戦争の英雄クリス・カイルの映画を撮った。
名うての共和党支持者で、ドン・シーゲルやペキンパーの血筋を引いたイーストウッドが、どんな映画にするのか?
凄く興味があった。

スナイパー①

テキサスのロディオのスターだったクリス(ブラッドリー・クーパー)は30才にして海兵隊に志願する。
同時に酒場で美しいタヤ(シエラ・ミラー)と知り合い、結婚する。

クリスは子供の頃から父親に「お前は狼から羊を守る番犬になれ」と教育され、正義感の強いカウボーイだった。
そして、9・11が起こり彼は特殊部隊の狙撃手としてイラクに向かう。
彼の任務は将に突撃する海兵隊を守る番犬の様なスナイパーだ。

戦地でのクリスは抜群の射撃の腕で忽ちネイビー・シールズのレジェンドとなってゆく。

スナイパー②

戦闘場面の激しさやリアルさでは『ハート・ロッカー』や『ゼロ・ダーク・サーティ』に分があるが、
流石イーストウッドと唸らせる演出が随所に散らばめられている。
場面転換の上手さとスピード感溢れる展開はとても84歳になろうとしている老監督とは思えない。

特に戦闘中に携帯電話で身重の妻のタヤと会話するシーンの持つ奥深さと切れ味は若い監督の追従を許さない。
一瞬にして凄まじい戦場と、静かで平和なアメリカとの対比が観客にスリリング迫って来る。
兵士は一体何の為に闘っているのか?
イーストウッドらしいメタファーにボクは思えた。

スナイパー③

クリスは計4回イラクに派遣され、160人のイラクのアルカイダを撃ち殺す。
その中にはゲリラ兵だけでなく、爆弾を抱えて走る子供や、幼いわが子に迫撃弾を渡す若いイラクの母親も含まれる。
子供たちは獲物の鹿の様に鮮血を出して地面に倒れる。

丁度アメリカでクリスを待つ妻や子供と同じ年頃だ。

その頃からクリスの心に変化が現れる。
自分は正義の兵士である味方を「蛮人」から守っている。
この映画の中ではイラクの兵隊や市民は全て「蛮人」と呼称されている。
それはあたかも、西部劇の登場するインディアンと同じで、徹底的な憎まれ役で悪党である。

スナイパー④

その「蛮人」達を撃ち殺す事に迷いが生じるクリスの心に、イーストウッドはあまり迫らない。
PTSD(心的外傷ストレス)を描いてはいるが、それは乗り越える対象としてイーストウッドのこの映画には存在している様にボクには観えた。

しかし4回目の派遣の時、
クリスに最大の危機が訪れる。
いつもの任務の途中に、クリスは生涯の敵とも言えるイラク側の狙撃手と対峙する。

オリンピックの射撃の代表でもあったそのイラクの狙撃手を見事にクリスは撃ち負かすが、
その一発の銃声が味方や自分に危機を招くことになる。
ネタバレになってしまうからこれ以上書かないが、砂嵐に襲われながらの脱出劇は固唾を飲んで見守るしかなかった。
実に見事で老練な演出術だと思う。
イーストウッドの真骨頂だと云っていい。
そして、その脱出シーンの最中クリスは妻のタヤに又しても電話する。
多分、自分の死を覚悟した電話だと思うが、そこでクリスは呟く・・・。
「もう、・・・帰りたい。」

クリスが初めて吐いたホンネだと思う。
こんなシーンをちゃんとイーストウッドは用意していた。

スナイパー⑤


やがて故郷に帰り、除隊したクリスはPTSDに悩む帰還兵や傷病兵を訪ねては励ます。
そして、それを見送る不安な顔の妻タヤで映画は終わる。


最後のテロップで観客はクリスの死を知る。
それはあたかも第二次世界大戦の最大のヒーローであるパットン将軍と同じような最期だった。

結局、イーストウッドはこの映画で何を語ったか?
まだボクには回答が思い浮かばない。
一つ確かに言える事は、
イラク戦争に勝者は居ないという事か・・・。
その戦争はまだ続いている。









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2015. 02. 25. (Wed) 12:43  [映画コメント:0  トラックバック:0

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