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『ハンナ・アーレント』 

やっとこの映画を観る事が出来た。
岩波ホールはどうも苦手で、ユーロスペースでやってくれて有り難かった。

ハンナ①

ドイツ系ユダヤ人で哲学者のハンナ・アーレントの生涯を、『ローザ・ルクセンブルグ』のマルガレーテ・フォン・トロッタ監督と主演のバルバラ・スコヴァが再び手を組み、実話を元にして作った映画だ。

自らも収容所から脱出しアメリカに亡命した過去をもつハンナが、
1960年の初頭に逮捕されたナチス親衛隊幹部のアドルフ・アイヒマンの裁判の傍聴記を雑誌ニューヨーカーに寄稿する所から始まる。

そのレポートが発売されるやいなや、アメリカや全世界のユダヤ人のみならずニューヨークの知識層までからの大批判の嵐にハンナは巻き込まれる。
彼女のレポートは数百万人のユダヤ人を収容所に輸送したアイヒマンを、単なる平凡な廷吏に過ぎず残忍な犯罪者ではないと断じ、そればかりでなくユダヤ人社会にもナチに通じた人物が沢山居たと書いたのだった。
更に、ドイツ時代のハンナは後にナチに入党した哲学者ハイデッガーを師に持ち、彼と不倫関係を持っていた事が映画の中でも描かれる。
彼女はアイヒマンを擁護したのではなく理解しようとしたと弁明したが、批判は治まらなかった。

アイヒマンは裁判で絞首刑を言い渡されるが、ボクら日本人には中々理解する事が難しいテーマだ。
しかし、この監督はユダヤ世界の歪のみならず普遍的な人間の罪と叡智を静かに語りかけてくれる。
そして、ハンナを演じるバルバラ・スコヴァのくゆらす煙草のけむりは、厭な現実でも煙たがらずにしっかり見つめ、ボクらに善悪を、美醜をしっかり区別することを教えてくれる。

ハンナ②


彼女への反感は圧倒的で、大学の首脳部には辞任を強要される。
それでも彼女は、又しても煙草をくゆらせながら大勢の学生の前で教壇に立つ。
ハンナの反論は最後の8分間のスピーチに込められている。

正確なダイアローグは覚えてないが、要約するとこんな内容だ。
「冷酷な男とみられているアイヒマンには自分の意思はなかった。彼はただ命令されるままに行った行為だ。世界最大の悪は彼のような平凡な信念も動機もない、いわば思考が停止した人間が行う行為なのだ。アイヒマンは人間の一番大切な思考する能力を拒否した人間だ。」
「私が望むのは危機的状況の中でも、考え抜く事によって破滅に至らない事が出来る。考える事によって人間は強くなれる」と。
講義を聞いていた大学の首脳は憮然と退席するが、学生たちの大拍手で講堂は包まれる。

ハンナは残忍な犯罪を繰り返したナチを断罪することが当たり前の世界の中でアイヒマンの裁判を真剣に傍聴し、
自身の哲学的信念と揺らぎない意志でもって論文を発表したのだった。
しかしながら唯一彼女を支えた夫以外、多くの大切な友人やエルサレムの最も信頼する友達をその論文のお蔭で失ってしまう。

そして、ハンナは69歳でその生涯を終える。

ハンナ③

ボクのこの映画を観た感想はただ一つ。
言われたとおりに動き、調和を重んじ、思考停止した平凡な人間が巨大な悪を生むという事。
だから人は思考しなければならない。


話を転じて、今『永遠の0』という映画が興収50億を超えるヒットを続けている。
その映画の事は以前のこのブログに書いた。
あの映画を観て素晴らしかったとか、良かったとか云ってるこ御仁がボクも周りにも沢山いる。
(幸いにしてボクの娘は普通の出来だと云っていて、ホッとした。)
ボクが安倍晋三と百田尚樹が嫌いで云ってるのではない。あの映画は特撮以外、目を見張るものは何もない。
あれを観て良かったと思う奴らを、愚かだと思うだけだ。
もっと考える・思考する努力をしてほしいと思う。

でなければ、
日本もまた「多くの平凡な悪」によって、
軍靴の聞こえる国に戻ってしまうのでは…、と。











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2014. 01. 23. (Thu) 15:43  [映画コメント:0  トラックバック:0

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