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『凶悪』 

この映画、封切り直後に観た。
けれど、中々このブログに書けなかった。
要は、ボクの中での評価が定まらなかったからだ。
今でも定まった訳ではないけれど、
書かずにいられないインパクトがある映画だった。

凶悪①

これが長編二作目だという監督の白石和彌。
若松孝二のDNAを引き継いでるらしい。
でも、若松さんよりも『凶悪』かもしれない。

俳優の三人については此処ではあまり触れなくていいだろう。
彼らの芝居を誉めない奴は居ない。
すっかり役者ぶりが板についた山田孝之は兎も角、
ピエール・瀧とリリー・フランキーの二人は決して上手くはないけれどその存在感で並の役者を遥かに凌いでいる。
又そうさせた監督の力量はこれも並の監督を凌いでいる。

凶悪②

新潮45編集部のノンフィクション小説『凶悪-ある死刑囚の告発ー』を原作としているが、
原作にない幾つかの脚色があり、それが映画としてのオリジナリティを発揮している。

エンタテイメントとしても充分愉しめるこの映画だけれど、
「楽しいからやっているんでしょ?」
と言う池脇千鶴のこのセルフに大きな余韻が残ってしまった。

『凶悪』の限りを尽くした暴力団のピエールが逮捕され、死刑判決を受ける。
彼は自分の延命の為かそれとも憎しみの為か、自分より更に『凶悪』な頭脳犯罪者・リリーを獄中から告発する。
最初は半信半疑ながらやがてその告発の究明にのめり込んでゆく雑誌記者の山田。

リリーの指示のもとピエール達が殺したのは、社会に役の立たない老人やヤクザものばかり。
それもそれらの殺人を楽しんでやっているように見える。
一方、それを追っかける記者の山田は痴呆の母の介護を妻の池脇に任せ切り、
家族という社会では明らかに失格者にも拘わらず事件を追い続ける。

この三人に通底しているのは、
何よりも自分がやっている事が面白いからだという主張に、この映画は貫かれている様に思える。

凶悪③

映画のラスト。
山田の書いた記事で、やっと警察が動きリリーが逮捕される。
山田のジャーナリスト(?)としての信念が実ったと思われる面会室でのリリーと対面シーン。
誰が一番『凶悪』なのかと山田に聞かれたリリーが、
面会室のガラスを静かに二度叩き、面会室から無言で出て行く。

その指先は、
一つは一番面白がって追求した記者の山田で、
もう一つは最後まで面白がって映画を観続けた観客だ。
と指している様にボクには思えたからだ。


そのラストのビターな感覚にとらわれながらも、
映画を観終わりエスカレーターで前を行く二人の女たちの会話が耳に入る。
「…退屈だったね。これをデート・ムービーで観たら最悪よね…」


こんなのが普通の客の感想だったとしたら、
ボクの感覚は世間とは大分ズレている……。

ボクの悩みは、
実に大きい。






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2013. 10. 01. (Tue) 10:33  [映画コメント:0  トラックバック:0

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