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『夏の終り』 

今年の夏は、暑い。

そんな時、『夏の終り』を渋谷で観た。
宣伝をあまりしていなかったが、劇場はそこそこの人の入りだった。

夏の終り①

小説家の小林薫とその愛人で染色作家の満島ひかり。
そして、満島に惹かれてる若い編集者・綾野剛。
小林は鎌倉の本宅と満島のいる妾宅を行き来している。

小林は本宅ではどうか知らないが、妾宅に来た時は「来たよ」と云う。
そして、出て行く時は「行ってくる」と云う。
何処へ行くのか?
この場合は、本宅に帰るのだ。
愛人と居る時の男の言葉使いは、大変デリケートだ。

夏の終り②

瀬戸内寂聴さんが晴美時代に書いた小説が原作。
この小説家のモデルは誰もが知ってるが、井上光晴だ。
彼の事を書いたらきりがないが、『全身小説家』を観ればよくわかる。
別名、「嘘つき光ちゃん」で有名だ。
要するに死後に分かった自身の経歴などが、すべて嘘だった。

一方、瀬戸内さんも中々のモノ。
例えば彼女の代表作に「花心」というのがある。
この頃の瀬戸内さんを世間は「子宮作家」と呼んだ。
文中で、「子宮で考える」という言葉がよく使われていたからだ。
ボクは「花心」とはクリトリスを意味しているのだとその時思っていた。

そんな二人の情愛関係を描いた小説と、思ってもらえれば解りやすい。

ところが、そんなバック・ヤードをもつこの原作で、
そしてこの映画だったら、やはり物足りない。
全体にスケッチにしすぎている。
『海炭市叙景』のような映画だったそれでも良い。

夏の終り③

人物のキャラクター作りはは凄く上手い。
満島が菓子折りを持って、鎌倉の本宅を訪ねる件はゾクゾクするほど面白かった。

しかし映画自体の面白さは、実際の二人に比べるとかなり低調だ。
シナリオが上品で、若すぎるのかも知れない。

原作は、
「一緒に死んでくれ」と小説家に迫られた時から関係が始まる。
しかし、小説家は死にもしないし、妻とも別れない。
都合よく東京の仕事部屋兼妾宅として使われ、本宅と行き来する。
女はそんな男に愛想を尽かし、夏の終りに小説家との長い8年間に別れを告げるという至極普通の話だ。

後日、瀬戸内さんはそんな井上光晴との関係を「プラトニックな関係だった」と講演などでも答えている。
そんな嘘、誰も信じはしない。
彼のパンツや靴下を8年間も洗い続け、
何百回と「花心」を疼かせる日々だったのに、だ。

別れた後の愛人の住んだ家に小説家は妻子と共に引っ越してくる件が小説には有る。
その時の小説家の妻の心境たるや如何なるものか。

こんなおいしいシーンを描かない映画はないのではないか。


この映画、もっともっと面白く出来たのにな……。
残念で仕方ない。


今日の雨で、
今年の長い夏も終りかも。










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2013. 09. 05. (Thu) 18:10  [映画コメント:0  トラックバック:0

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