≪ 2017. 05 123456789101112131415161718192021222324252627282930 2017. 07 ≫

プロフィール

総合系釣り師ナベ

Author:総合系釣り師ナベ
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--. --. --. (--) --:--  [スポンサー広告コメント:-  トラックバック:-

『かぞくのくに』 

戦後間もない頃、
在日朝鮮人の「帰国事業」というのがあった。

今村昌平の『キューポラのある街』などにもその話がある。

かぞく①

この映画は原案・監督のヤン・ヨンヒが自分の家族の体験をもとにフィクションとして映画にしている。

父親(津嘉山正種)が在日総連系の副理事で、
母親が「アイビー」という下町の純喫茶をやっている北朝鮮系の在日一家。
「帰国事業」で北朝鮮に渡った長男(井浦新)が25年ぶりに帰国してきた。
脳に病気を持った為の治療名目で…。

その兄を迎える妹(安藤サクラ)が監督のヤン・ヨンヒの分身で、主人公だ。
そして、兄を監視する為にやって来た男が『息もできない』のヤン・イクチュン。

登場人物が全て適役で、良く練られたキャスティングに感心する。

かぞく②

そして何よりも、
全編手持ちカメラで撮った映像が、不安げな登場人物の心情を投影するように小刻みに震え、蠢く。

25年の北の暮らしは長男の全てを変えてしまったのか?


かって、北朝鮮は北系の在日家族にとっては「夢の社会主義国家」でもあった。
その事は『キューポラのある街』を観ればわかる。
よど号の赤軍派も、そう思っていた。
ボク等もそう思っていた時期があった。

しかし、それは幻想で、嘘だった。
そんな国家は何処にも無かった。

今の北の惨状は誰でも知っている。

そんな中、長男は3カ月だけの約束で帰国した。

家族それぞれの思いは複雑にそして、静かに交差する。

かぞく③


以前と違い無口になった長男は何も語らない。

正確に言えば、語れないのだ。
向うの生活を喋れば、帰国しての制裁が待っている。

映画も多くは語らない。
しかし、一家の壁には北の二人の独裁者の肖像写真と、
長男の北での家族の写真が飾られている。


長男を囲んだ同窓会の時、
彼の25年前の恋人(京野ことみ)がやって来る。
別れ際、電話番号を書いた紙きれを渡される。

ところが次の日、
突然の帰国命令。

理由などない。
そして、逆らう事はできない。
かの国では、何も考えない事が良い事らしい。


帰国が翌日になった日。
いまは人妻となった京野ことみに、
「このまま一緒に、何処かに逃げよう!」と、寂しく泣かれる。


かぞく④


女性監督ヤン・ヨンヒの実際の家族の話だ。

全てのセリフが観客の胸に突き刺さる。

フィクションでは決して作れないと思う。


違う国に育った価値観の違いだけでは片づけられない、大きな暗い河が存在する。


又、北へ帰ってゆく長男にとって「かぞくのくに」とは何処なのか?

そして、最後にトランク・ケースを持った安藤サクラは何処へ行こうとしているのか?



今年のボクのベスト・テンには必ず入る映画だった。


スポンサーサイト
2012. 08. 09. (Thu) 16:01  [映画コメント:0  トラックバック:1

コメント














トラックバック

ヤン・ヨンヒ監督インタビュー:映画「かぞくのくに」について【1/3】 

『ディア・ピョンヤン』『愛しきソナ』といったドキュメンタリー映画で、在日コリアンという出自と家族への想いを綴ってきたヤン・ヨンヒ監督に、初のフィクション作品となった新作...
2012. 08. 10. (金) 20:18 INTRO
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。