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『灼熱の魂』 

キネマ旬報の昨年度のベストテンが発表された。
邦画の『一枚のハガキ』は、選者の顔ぶれから言って当然の結果かも知れないが、少しべんちゃらが過ぎる。

監督賞の園子温がちょっと意外で、主演賞(原田・永作)、助演(小池・でんでん)ともこれも当然か。
そして荒井さん、おめでとう。
これで新藤さんを抜いて歴代最多の脚本賞受賞かな?

洋画の『ゴーストライター』は未見なので、その内に観よう…。




さて、昨日『灼熱の魂』を観た。
これはそのベストテンの9位に入っていた。

灼熱①

レバノン出身の劇作家ワジ・ムアワッドの戯曲をカナダのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化したもの。
タイトルも凄いが、中味は更に凄まじい。

母である、中東系のカナダ人女性ナワル(ルブナ・アザバル)が突然プールで変調をきたし、その後病院で亡くなってしまう。
若い双子の姉弟ジャンヌ(メリッサ・デゾルモー=プーラン)とシモン(マキシム・ゴーデット)は、
母の長い友人で公証人から母の遺言を告げられる。
その内容はかなり変わったものだった。
二人の姉弟はお互い一通づつの遺言状をもとに、母のたどった足跡と自分たちの魂のルーツを見つける為に中東への旅に出る。

それはタイトル「灼熱の魂」のとおり、慟哭の旅だった。

知らない方が良い過去もある、と云う。

③灼熱

中東の某国に生まれた母は若くして、異教徒の青年と恋に落ち子供を身ごもる。
しかし禁断の愛の為、青年は親族によって射ち殺される。
それでも母は男の子を出産するが、その児とも引き離され、故郷を追われる。
孤児院に入れられたその男の子。
それは双子の姉弟の兄になる訳だが、その国の内戦の為、以後の行方は不明になる。

都会で大学生になった母は、そこで反体制運動に身を投じるようになる。
この後が少し唐突なのだが、どうやらその国はイスラム教とキリスト教右派との内戦状態で、姉弟の母はテロリストになっていった。
そして彼女は、一方の指導者を拳銃で撃ち殺す。
直ぐさま逮捕される母。
その後十数年監獄で暮らすことになる。

そこで「歌う女」と呼ばれていた事を姉弟は知る事になる。
それが極めて残酷な境遇を揶揄している。
その監獄で母は連日凄まじい拷問を受けていた。
更には、若い拷問者に性的拷問を受ける。

②灼熱

母は監獄の中でも、悲劇の子供を産み落とす。
しかも、その子たちは………

魂を切り裂くような悲劇の連続。
戸惑い以上の残酷な混乱に姉弟は襲われる。
灼熱の魂の叫び!

観客の我々も、席をしばらく立つ事が出来なかった。




すべての母の過去が判った時、
自分たちの父が判った時、
そして、兄が判った時、

彼らが呟く。
「1+1は2ではなく、1+1は1」

これが何を意味するのか?



この原作の戯曲は、どうやらギリシャ悲劇をベースに作られている。
日本人の道徳感からは少し隔たりがあるし、ボク自身もギリシャ悲劇は馴染みが薄い。
その所為か話が少し歪にループしすぎる気がしない訳でもない…。
又、
1+1は双子の姉弟ではなく、
イスラム教とキリスト教を暗示しているらしい。

宗教間の諍いの何と無意味で残酷な事か。

この映画、
ミステリーとしても良く出来ている映画でもある。
母の過去と、それを訪ねる姉弟の姿が無造作にカット・バックされる。
40年の隔たりがあり、観客のボク等は懸命にそれを嗅ぎ分ける事を強いられるが、何故かそれは苦痛ではない。
母と同世代のボクが言う事で、若い世代の人には無理かもしれないが…。
でも、映画にはそれぐらいの突き放した演出が必要だ。

何もかもが説明過多では面白くはない。
この監督の編集センスは評価できる。

ナレーションや説明セリフがなくても、映画は理解できるし、愉しめる。
又、しなくてはいけない。


丁度、
「日の丸」や「君が代」の意味するものをボク等は正しく理解することが必要な様に。
再び、あの悲惨な時代を迎えない為にも…。






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2012. 01. 17. (Tue) 18:19  [映画コメント:0  トラックバック:0

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