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『哀しき獣』 

今年二本目の映画がこれ。

哀しき①

『チェイサー』で韓国内で500万人を動員したナ・ホンジン監督の2作目。
主演のハ・ジョンウとキム・ユンソクも同じ。

出はじめは、
中国のロシア国境近くの朝鮮族自治州のタクシー運転手グナム(ハ・ジョンウ)は麻雀賭博などで借金を抱えている。
おまけに女房は韓国に出稼ぎに出たまま音信不通。
幼い子供は母親に預けたまま、自堕落に暮らしていた。

そんなグナムに同じ朝鮮族自治州の犬料理屋で裏社会のボスのミョン(キム・ユンソク)から、ソウルの大学教授(実はかなりの悪党)の殺人を持ちかけられる。
成功すれば借金は返せるし、大金が手に入る。
その上、ソウルに行けば女房にも会えるかもしれない。
失敗すれば、母や子供の命が危ない。
悩むが、ソウルでの殺人を承諾する。

この辺りまでの展開は、『チェイサ―』と同じで、凄く面白い。
映像のトーンも、手持ちのカメラも、これから起きるド派手なバイオレンスを予感させる。
更に、
原題の『THE YELLOW SEA(黄海)』を、密出国のボロ船で渡り、韓国沿岸で冬の海に突き落とされたり…。
命かながら、何とかソウルにたどり着くグナム。
殺人相手の大学教授の住むビルの張り込み等、リアルでワクワクするハードボイルドなシーンがアップ・テンポで続いてゆく。
グナムが将に殺人を決行しようとしたその夜、
突然別の二人組の殺人者が現れる。
彼らに、大学教授の殺人を横取りされたと思ったが、そうではなかった。
実はその大学教授は格闘技の使い手で、かなり手強い。
逆に、その二人組の殺人者のナイフを奪い、逆襲して殺してしまう。
そこに安物の包丁を持って駆け付けたグナムも、危うくその教授に殺されそうになる。
ところがこれには裏があり、大学教授の運転手でボディーガードだった男が今度は教授を裏切り、教授を殺してしまう。
それを目撃したグナムは、今度はボディーガードに殺されそうになる。
このあたりは全て、大型ナイフやナタを使った殺人シーンで、鮮血が迸る。
ビルの階段は血だらけだ。
それでも、必死のグナムは襲いかかったボディーガ―トを捨て身で投げ捨てる。
ボディーガードは打ち所が悪く階段を転げ落ちて、死んでしまう。
運よく助かったグナムは、大学教授を殺した証拠に彼の親指を切り落として逃亡しようとする。
けれどこの時、ソウルの警察隊が到着し、ビルは包囲されてしまう。
グナムは袋の鼠になってしまうのだが、これも必死の逃亡劇で何とか逃げ果せてしまう。

哀しき③

このあたりから、少しボクとしては引けて、くる。
何しろ、パトカーよりも早くグナムが走るのだから…。

又、カーチェイスも凄い迫力がある。
随分とお金が掛っている。
後で判ったんだけれど、この映画はハリウッドのメジャー資本が入っている。

ラスト・ロールのグナムとミョンとのアクションはコリアン・ノアールと云うよりは、ハリウッド級映画だだ。
『ダイ・ハードⅢ』を凌ぐような、大型トレーラーが暴れまくる。
それはそれで面白いのだけれど、グナムもミョンも、少しスーパーマン過ぎるのが納得がいかない。
いくらグナムがタクシー運転手役だからといっても、カーチェイスが上手すぎるし、派手すぎる。
ボク的には、もっとセコイ逃げ方がこの映画には似合うと思うのだけれど………

哀しき②

話が横に逸れたが、
この朝鮮族自治州というのがこの映画のポイントだ。
これは『チェイサ―』の時に最初のプロットにあった話だそうだ。
ところが『チェイサ―』では割愛されたこの話が復活して、今度の新作の根っこになっている。

この映画、派手な殺し合いが続くが、拳銃や大型火器は登場しない。
すべてナイフや小刀、棍棒、小型の鉞(斧)だ。
時には大型の哺乳類の大腿骨で殴ったりする。
拳銃は腰抜けな警察が威嚇の為に撃つくらいで、しかもあまり命中しない。
それはそれで良いのだけれど…。

又、不思議な事にソウルの裏社会の顔役がバス会社の社長で、中国の朝鮮自治州からやって来たミョン達と抗争を繰り広げるのだけれど、彼らがあまり強くない。
社長の腹心の男が何度もミョンに捕まり、情けない。
むしろ、出稼ぎにきたミョン達の田舎者ヤクザに、都会のマフィアが次々とやられてしまうのも、あまり納得がいかない。
普通の図式は、逆だろう。

しかし、
全体的には、緊迫感溢れる映像と暴力で観ている者を釘付けにする迫力があり、予想を裏切る巧みな展開が愉しめる。

それだけに残念な事が多すぎる事も確かだ。

ストーリーの裏筋が複雑で、且つ判り難い。
(特に字幕で読む映画の韓国人名のカタカナは日本人には不親切だ。せめて漢字にして欲しい。)
それに最後の銀行の課長が一番のワルなのかどうか、一回観ただけでは、それも良く解らない。
又、大学教授の愛人の女が良く解らない。
行方不明の女房が大学教授の愛人だった、というストーリーなら判りやすいのだけれど、そうでもない。

この馬鹿で孤独な主人公のグナムは、
借金の為、殺人を犯しにソウルにやって来た。
女房は知らない男の愛人になっている。
ソウルでは殺人犯として警察に追われ、
地元のヤクザにも追われ、
更に自治州から来たヤクザにも追われる。
八方ふさがりとはこの事だ。
しかも、死ぬ思いでやっと突き止めた女房は、ソウルの愛人の中年男に殺されていた。
…グナムにはもう何も残されていない。
そんなシンプルなストーリーにした方がより観客の共感を呼ぶのではないかとボクは思うのだが…。
邪魔な「話」と「アクション」が多すぎた映画かもしれない。

果たして、
母や子が待つはずの中国の自治州に帰る為、黄海を渡るグナム。
老漁師を脅し、漁船に乗ったは良かったが…。
そこで、哀しく息絶えてしまう。
女房の遺骨を抱いたままで。

哀しいラストを予感させる様に、
タイトルが『哀しい獣』。

しかし、
クレジット・タイトルが出かけてエピローグがあった、
死んだと思われたグナムの女房が、………?



ボク的には、
「加瀬亮」に似たダメ亭主と、
「竹内結子」に似た女房とのラブ・ストーリーを期待していたけれど…
ナ・ホンジンは、そうはしてくれなかった。


とかく予算があり過ぎると、
俊才も俊才でなくなる映画かな………!?




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2012. 01. 11. (Wed) 21:58  [映画コメント:0  トラックバック:0

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